皆さんは、スーツをどのように保管していますか?
スーツは、ビジネスシーンやフォーマルな立ち居振舞いが求められる場面で着ることが多いだけに、キチンとしている印象や清潔感が重要になるファッションアイテムです。また、カジュアルファッションに比べて高価なものが多いので、「少しでも長く着続けたい」と考えている人も少なくないでしょう。個人の体型に合わせてあつらえた“一点モノ”のオーダースーツであれば、ますます「大切にしたい」という思いが強くなるはず。
そんなスーツですが、適切な保管方法やお手入れ方法を採らないと、知らず知らずにうちに傷んでしまったり、型崩れを起こしてしまったりする可能性があります。「久しぶりに袖を通そうとしたら、カビがはえていた」「適当にクローゼットに押し込んでいたら、シワだらけになってしまった」なんて状況は、やはり避けたいですよね。
そこで今回は、スーツの上手な保管方法、お手入れ方法にフォーカスし、ケアの進め方や注意点などについて紹介していこうと思います。
スーツを正しく保管すべき理由
「スーツも他の衣類と同じように、とりあえず、そのへんにあるハンガーにかけて、クローゼットのなかにでも押し込んでおけば問題ないでしょ」と考えている人もいるかもしれません。
しかし、スーツは他の衣類と比べて、気を配らなければならないポイントが多いアイテム。少なくとも、ケアの必要性や具体的な方法を知っているかいないかで、寿命に差が出てくる可能性が十分にあります。
まずは、なぜスーツを正しく保管しなければならないのか、その理由を整理してみましょう。
【1】虫食いやカビからスーツを守る
→スーツは、カジュアルなファッションアイテムや部屋着などのように、家で頻繁に洗濯することがありません(丸洗いOKのスーツもありますが、やり方次第ではシワになってしまう可能性も)。つまり、多少汚れた状態で保管されがちな衣服であるということ。
そこで心配になってくるのが、虫食いやカビです。なにもケアしないで収納に放置すると、それらの発生リスクが格段に上がってしまいます。カビに関しては、湿気が多い春や夏に発生しやすくなるので、注意が必要です。
【2】型崩れやシワを防ぐ
→スーツを着る場面では“カッチリ感”や“整っている感”を演出できるかどうかが、とにかく求められます。型崩れを起こしていたり、シワが寄ってしまったりしたスーツでは、相手にだらしない印象を与えてしまうでしょう。大切なのは、相手に好印象を抱いてもらえるような清潔感。それには、スーツの正しい形を維持する必要があります。加えて、型崩れやシワを防ぐよう心がけることにより、スーツを長持ちさせる効果も期待できます。
スーツの「適切な保管・収納方法」を知る
ここからは、スーツのお手入れや保管に関する具体的な方法について解説していきましょう。一見すると面倒に感じてしまうかもしれませんが、実際にやってみるとそれほど難しいものではありません。ぜひ習慣にして、スーツを少しでも長持ちさせてください。
【1】保管・収納する前にブラッシングする
→スーツを着た後は、ブラッシングを行うようにしましょう。毎回ブラシをかけるのは億劫かもしれませんが、せめて2~3回の着用に一度はブラッシングしたいところです。
ブラッシングの目的は、スーツの表面に付着してしまったホコリや皮脂などの汚れをはらい落とすこと。そうした汚れは虫食いの原因となる害虫を引き寄せてしまったり、カビの栄養分となったりするので注意しましょう。
ブラッシングに用いるブラシは、馬毛や豚毛といった天然素材100%のものを選びましょう。ナイロンといった化学繊維のブラシは天然毛に比べて静電気を発生させやすいので、せっかく表面の汚れを落としても、すぐに空気中のホコリなどを吸着してしまう可能性があります。
ブラシをかける手順ですが、基本は「下から上」にかけたあと、「上から下」にかけるという方法。ブラシを水平に持ち、まず下から上にブラッシングすることで、表面の汚れを落としていきます。続いて、上から下にブラッシングすることにより、落としきれなかった汚れを除去し、生地目を整えていくのです。正しくブラシをかけることは、毛玉やテカリを予防することにも繋がるので、実践することを強くおすすめします。
【2】ジャケットは厚みがあるハンガーにかける
→ジャケットをかける際には、針金や薄いプラスチックなどを用いた細いタイプのハンガーは避けましょう。それらのハンガーはジャケットの重みがかかる面積が狭いので、ハンガーが当たる部分の生地に強い負担がかかってしまいます。これが、型崩れの原因になるわけです。
ジャケットをかけるハンガーは、肩部分に3~5センチ程度の厚みがある、しっかりとした木製のものが理想。さらに、ジャケットの肩幅に合ったものを選ぶことも大切になります。
【3】スラックスやスカートは「挟んで吊す」タイプのハンガーで保管・収納する
→スーツ用のハンガーには、内側にスラックス、スカートを吊すためのクリップやバーが付属しているものもあります。そこにかけておくのも悪くはないのですが、バーにスラックスをかけておくと膝上あたりに折りグセが付いてしまったり、シワが残ったままになったりすることがあるので注意したいところ。また、ジャケットに包まれた状態でボトムスが保管されると、通気性も多少損なわれてしまうので、とくに長期保管する際には不安が残ります。
スラックスやスカートは、専用のハンガーに吊してジャケットとは別に保管するのがベスト。ボトムス専用のハンガーには「2つのクリップで挟む」タイプと「横長のバーで裾や胴回り部分を全体的に挟み込む」タイプの、大きく2種類が存在します。できれば「点」ではなく「面」で挟む形式の後者を選択するほうが、跡が残りづらいのでおすすめです。
なお、スラックスについては胴回り部分で吊すより、裾部分を上にして(逆さまの状態で)吊すほうがシワも伸びやすくなるので、より美しい状態で保管できるでしょう。
【4】不織布製のカバーをかける
→スーツをクローゼットやハンガーラックなどに保管する際は、カバーをかけておくほうが無難です。なにもかけない状態では、肩や襟にホコリがたまってしまう可能性があります。とはいえ、クリーニングから戻ってくる際に付けられたビニール製のカバーは通気性が悪く、内側に湿気がこもってしまいがち。カバーをかけるのであれば、通気性のよい不織布製のものを選ぶようにしましょう。
【5】防虫剤や除湿剤と一緒に保管・収納する
→スーツに限らず、衣類の保管時には湿気の除去や防虫が非常に大切です。スーツを保管・収納するクローゼットには除湿剤を用意し、バーにかける形で設置できる防虫剤を添えておくようにしましょう。
【6】風通しのよい場所に保管・収納する
→前項でも説明したように、スーツに湿気は大敵です。クローゼットは週に一度程度、数時間ほどは扉を開けて外気を取り入れるようにすると、内部に湿気がこもるリスクを低減できます。頻繁に着用するスーツであれば、よく風が通るフレームタイプのハンガーラックにかけておく方法もあります。ただ、その場合は生地の劣化や変色の原因となる直射日光が当たらないよう注意してください。
スーツを保管する際の注意点
上述した、基本的なスーツの保管・収納方法に加えて、注意しておきたいポイント、覚えておくと役立つポイントもあるので解説していきましょう。
【1】クリーニングから戻ってきたスーツは、ビニール袋を外して保管
→クニーニングに出したスーツは、ビニールのカバーがかけられた状態で戻ってくるのが一般的です。そのままクローゼットに収納したくなるかもしれませんが、ビニールカバーは必ず外すようにしてください。ビニールは通気性が悪く、内部に湿気がたまりやすいため、カビの発生や繁殖を促してしまう恐れがあります。また、ビニールは静電気を帯びやすいので、ホコリを寄せ集めてしまう点も看過できません。前述したとおり、保管時は通気性の高い不織布製のカバーをかけておきましょう。
【2】シワが付いている場合はスチームアイロンをかけてから保管・収納する
→シワが付いたままのスーツを着用していると、だらしない印象を周囲に与えてしまいます。加えて、シワの部分は生地同士が擦れて摩擦を起こし、テカリの要因になることもあります。シワが気になるときは、スチームアイロンを用いてシワを伸ばしてから保管するようにしましょう。
シワ伸ばし専用のスチームアイロンを入手してもよいですが、アイロンのスチーム噴霧機能を用いる方法もあります。ハンガーにかけた状態でスチームを当てながら、生地を軽く引き伸ばすようにすれば、大抵のシワはきれいになります。
それでもシワが落ちないときには、通常のアイロンがけの要領でシワを伸ばしていきましょう。その際、当て布を置いて、優しくアイロンを当てるようにすると、生地の劣化を抑えることができます。温度設定にも注意が必要になるので、タグの洗濯表示欄に書かれたアイロンの温度表示も忘れずに確認しておきましょう。シワが伸びてもすぐにはクローゼットなどに入れず、生地の温度が下がってからしまってください。
【3】こまめに陰干しする
→ここまで何度も指摘してきたように、スーツに湿気は大敵です。1日着続けたスーツには、たくさんの湿気が残っています。すぐにはクローゼットなどにしまわず、風通しがよく、直射日光が当たらない場所で1~2日程度陰干ししてから収納するようにしてください。雨に濡れてしまったときには、さらにしっかりと湿気を除去できるよう、ハンガーにタオルを巻いてからかけて、扇風機の風を当てながら陰干しするのが効果的です。
冬用の厚手のスーツ、夏用の薄手のスーツなど、季節に応じて使い分けているスーツもあるでしょう。また、冠婚葬祭時にしか着用しない礼服もあると思います。それらは長期間クローゼットなどに保管・収納されたままになりがちですが、できれば1カ月に一度くらいは収納から取り出し、1日程度、陰干しするようにしましょう。湿気の予防だけでなく、保管状態の確認(虫食いやカビが発生していないか、など)もできるので、定期的な陰干しは非常におすすめです。
【4】ポケットの中身を空にしてから保管・収納する
→ポケットにペンやメモ帳、パスケースなどを入れたままにしておくと、それらの重みで型崩れが起きたり、シワが生じたりすることがあります。また、ハンカチやティッシュなどがポケットに残されたままだと、カビや虫を発生させてしまう可能性もあります。スーツをしまう前には、必ずすべてのポケットを確認し、完全に空になった状態で保管するようにしましょう。
スーツをminikuraに預けて、保管・収納のストレスから開放される
スーツは他の衣類に比べて、日常の手入れや保管時に注意が必要になるアイテム。ここまで説明してきたような要点を習慣にしてしまえば問題ありませんが、ある程度の手間はかかります。
しばらく着る予定のないスーツがクローゼットなどに放置されているなら、外部収納サービスに預けてしまうことも視野に入れてみてはいかがでしょう?
そこでおすすめしたいのが“宅配型トランクルーム”のminikura(ミニクラ)です。
minikura(ミニクラ)には、衣類をハンガーに吊して保管する「クローゼットプラン」や、上質なクリーニングを施した後にハンガー保管してもらえる「クリーニングパックプラン」といった、スーツの保管に最適なプランが用意されています。
「クローゼットプラン」は、型崩れしてほしくない衣類を最大10点までハンガーで吊るして保管する洋服専用プラン。月額保管料は660円です。
「クリーニングパック」は、高品質クリーニングと6カ月保管がセットになった洋服専用プランで、申し込み時に選択すれば、ハンガーにかけた状態で保管してもらうことも可能。こちらの料金は1万2100円(6カ月間)です。
どちらのプランも通気性の良い不織布の保護用カバーをかけて衣類を保管します。また、保管倉庫に格納される前には1点ずつ写真撮影されるので、「何を預けているか」を確認するなど、管理も容易です(写真はminikura(ミニクラ)のマイページから確認可能)。
minikura(ミニクラ)を利用するにあたり、入会金や会費などは一切発生しません。費用は「クローゼットプラン」であれば月額保管料660円、「クリーニングパックプラン」であれば6カ月間の保管料12,100円を負担するだけで、衣類を預けることができます。
預けたアイテムは、24時間体制で温度や湿度が管理された堅牢な倉庫で、不織布の保護用カバーをかけた状態で大切に保管されるので、安心して託すことができます。アイテムの預け入れに用いる専用ボックスの取り寄せ、集荷依頼、アイテムの取り出しといった諸手続きは、スマートフォンやタブレット、パソコンからオンラインでいつでも簡単に進められるので、とても簡単。
一定のコンディションが維持された環境にスーツを預けてしまえば、日ごろのケアからも開放されますし、家の収納スペースにも余白ができて、他のファッションアイテムを保管する場所に悩まされることもなくなるでしょう。なにより、スーツの管理・保管にまつわるストレスから解放されるので、気持ちにも余裕が持てるはず。
季節や着用頻度に応じて、スーツをminikura(ミニクラ)に預けてしまう──スーツと賢く付き合うために、ぜひ覚えておいていただきたい選択肢のひとつです。