“スマホやデジカメで写真撮影し、デジタルデータでストックしておく”というスタイルが定着して久しい昨今。かつて一般的だった紙焼き写真(印画紙に現像した写真)やネガフィルムはすっかり珍しいものになってしまいました。
イマドキの断捨離にまつわる話では「むかしに撮影したネガフィルムや紙焼き写真なんて、残しておいても邪魔なだけ」「必要なものだけスキャンしてデータの形で残しておき、現物は処分してしまおう」という論調が主流です。
ただ、古い写真やフィルムは、替えの利かない“一点モノ”のアイテム。処分してしまえば、もう二度と手に入れることはできません。
また「データにしておけば安心」とは一概にいえない側面も、実はあるのです……。
デジタル環境の進化は日進月歩
スマホ、タブレット、パソコンといったデジタル端末や、デジカメ、スキャナーなどの周辺機器は日々進化し、高性能になっていきます。たとえば、2000年ごろのスキャナーといまのスキャナーを比べてみても、性能や価格に大きな違いがあります。要は「より安価に、より高性能になっている」ということです。
また、HDDやSSD、SDカードといった記録媒体の容量も年々増加しています。2000年前後のパソコンでは、20~40GBのHDDを搭載していれば「すごい!」と驚かれていましたが、現在は1TB(1000GB)を超えるHDDやSSDを搭載したパソコンも珍しくありません。スマホやタブレットも普及当初と比べて記録容量は確実に増加していますし、SDカードやUSBメモリといった記録媒体も大容量のものが安く入手できるようになりました。
以前の高品質は、いまの低品質……ということも
そうした「デジタル機器および周辺環境の進化は日進月歩」という点を踏まえて、紙焼き写真やフィルムのデータ化について考えてみましょう。
たとえば20年前のパソコン、スキャナーを用いてデータ化した写真と、現在の環境でデータ化した写真では、品質に大きな隔たりが生じているケースが考えられます。当時は「ハイクオリティ」という意図で保存したはずの画像も、いまのスペックで見たら大したことはない──場合によっては低解像度の荒い画像でしかない可能性があるわけです。
現在は、メールやチャットアプリなどを通じて1枚で数MBもあるような画像をやり取りするのが当たり前になっています。大容量のデータを難なく送受信できる、高速のインターネット環境が普及したからです。しかし2000年代なかばごろまでは、1MBを超えるような画像データをメールに添付するのは「相手に迷惑がかかる」と、あまり常識的ではありませんでした。
手元で画像データを保存するにしても、パソコンなどのデータ容量はいまと比べて格段に少なかったのはご承知のとおりです。そこで「画像1点につき最大で500KB(1MBの半分)程度に収まるようする」など自分なりにルールを設けて、できるだけデータ量を抑えながら写真をストックしている人もいました。いまは容量をほとんど気にすることもなく、1点で30MBを超えるような画像データを大量保存しているケースがあることを思うと、隔世の感がありますね。
「データだけでなく、現物も残す」が賢い選択
ここまでデジタル環境にまつわる話が続いてしまいましたが、もっとも強調したいのは「デジタルデータも、時代の移り変わりに応じて取り扱い方や品質への評価が変わっていく」「当時は最先端、最高品質の処理を経たデータであっても、あとになってみると陳腐化(劣化)してしまう可能性がある」ということです。
画像データは、基本的にファイルサイズが大きければ大きいほど高解像度になります。紙焼き写真やフィルムをスキャンしたデータでいえば、ファイルサイズが大きいほど、より現物に近い品質で保存できるといえるでしょう。画面に大写しする際、紙にプリントする際も、高解像度であるほど(データ量が多いほど)再現性は向上するわけです。
そう考えると“1点モノ”の貴重な思い出アイテムである紙焼き写真やフィルムは、軽はずみに処分しないほうがよいのかもしれません。「かつて高品質でスキャンしたつもりの写真も、いまのデジタル環境で見たら低品質だった」ということだけでなく、「今後、さらにデジタル環境が進歩したら、より高品質な形でスキャンデータを保管できるようになる」という可能性もあるわけです。
もっとも賢い選択は「紙焼き写真やフィルムはスキャンしてデータ保存する一方、現物も大切にキープしておく」という方法ではないでしょうか。
紙焼き写真やフィルムはminikuraに保管しよう!
紙焼き写真やフィルムをスキャンする場合、スキャナーや多機能プリンターを用意して自分でスキャンする方法もありますが、専門業者に依頼してしまうのも一案です。1点1点写真を眺めて、しばし思い出に浸りながらのんびりとスキャンを進めるのも悪くありませんが、やはり時間と手間はかかります。業者にすべての処理を任せてしまうほうが、圧倒的にラクチンです。
併せて、紙焼き写真やフィルムの保管場所についても考えなければなりません。
紙焼き写真やフィルムは温度変化や湿度に弱く、環境次第で一気に劣化が進んでしまう、という特性を持っています。風通しもほとんどなく、高温になりやすい物置に長年放置していたフィルムや写真を取り出してみたら、表面にカビが生えていたり、丸まっていたり、ベタベタになって写真がくっついてしまっていた……なんて経験がある人もいるでしょう。
そこでおすすめしたいのが、紙焼き写真やフィルムをminikura(ミニクラ)に預けてしまう、という方法です。
“宅配型トランクルーム”のminikura(ミニクラ)は、月額320円から1箱単位で荷物を預かってもらえる外部保管サービス。専用ボックスの取り寄せ、集荷、預けた荷物の取り出しなど、すべての手続きはオンラインで完結します。
荷物が格納される保管倉庫はセキュリティ万全で、空調も24時間体制で管理されているから、大切な紙焼き写真やフィルムを安心して委ねることができます。現物を手元に取り寄せたくなったときは、最短で翌日には保管倉庫から指定場所に発送されるため、スピード感も抜群です。
「スキャンしたら、現物は処分」とアドバイスされることが多い紙焼き写真やフィルムですが、これから整理に取り組むのであれば、minikura(ミニクラ)を上手に活用して「スキャンしたうえで、現物は安心できる環境で大切に保管」という方法を検討してみてはいかがでしょうか?